猫に小判

読み
ねこにこばん
意味

どれほど価値の高いものでも、その価値を理解できない相手に与えては役に立たないというたとえ。

物や知識そのものに価値がないのではなく、受け取る側がその価値を理解・活用できないため、与えても意味をなさないことを表します。高価な物だけでなく、優れた知識・助言・技術・作品などにも使われます。

意味を理解するときの注意

価値は物そのものだけでなく、受け取る側の理解にも左右されるというたとえです。

「猫に小判」の使い方

貴重なものでも、その価値が分からない人に与えては役に立たないというたとえ。 相手にとって価値を理解できない物や知識を与えても意味がない場面で使います。

相手にとって価値を理解できない物や知識を与えても意味がない場面で使います。

このことわざの中心価値は物そのものだけでなく、受け取る側の理解にも左右されるというたとえです。
誤用・誤解に注意文字どおりの場面だけに限定せず、比喩として使われることわざです。前後の文脈に合うか確認して使います。
使うときの注意相手への批判や評価として使う場合は、言い方が強くなりすぎないよう注意します。

「猫に小判」の例文

1

この場面は「猫に小判」ということわざで表せます。

2

意味を確認してから「猫に小判」を使うと、意図が伝わりやすくなります。

3

猫に小判」の教えを、日常の判断にも生かしたい。

「猫に小判」の由来・背景

精選版日本国語大辞典では、1687年の評判記『野良立役舞台大鏡』に「猫に小判を見せたやう」の用例が示されています。

初出そのものを断定せず、確認できる辞書掲載の古い用例として扱います。

由来

猫に金銭的価値の高い小判を見せても、その価値を理解できないという身近なたとえです。精選版日本国語大辞典系の項目では、1687年の評判記『野良立役舞台大鏡』に『猫に小判を見せたやう』という古い用例が示されます。『ことわざを知る辞典』では、このような直喩形から後に簡潔な『猫に小判』という定型へ定着した経緯が解説されています。

資料による伝承の違い

精選版日本国語大辞典では、1687年の評判記『野良立役舞台大鏡』に「猫に小判を見せたやう」の用例が示されています。

由来を読むときの注意

古用例は『猫に小判』という短い形ではなく、『猫に小判を見せたやう』という直喩形です。古用例の形と後世の定型を区別し、1687年を厳密な初出とはしません。

確認できる古い資料精選版日本国語大辞典系の項目では1687年『野良立役舞台大鏡』に『猫に小判を見せたやう』の用例が示される

1687年の確認例。厳密な初出年・成立年とは断定しない。

古い用例と用法の広がり

精選版日本国語大辞典では、1687年の評判記『野良立役舞台大鏡』に「猫に小判を見せたやう」の用例が示されています。

確認できる古い資料『野良立役舞台大鏡』(1687)に用例が確認される。|1687年
確認済みの根拠資料を詳しく見る
歴史嘉永5年(1852)
歌川国芳《たとゑ尽の内》嘉永5年(1852)

歌川国芳の嘉永5年(1852)《たとゑ尽の内》では、『猫に小判』が『猫に鰹節』などとともに猫のことわざとして絵画化されている。江戸後期には視覚的な戯画の題材としても共有されていたことを示す。

歌川国芳
原資料・書誌を見る ↗
使用例1909年
建物保護法

1909年刊『建物保護法』のOCR全文では、権利の価値を理解せず活用しないことを「我邦古来言ひ傳ふる『猫に小判』」とたとえている。近代には現在と同じ意味で専門的な説明にも使われていたことを確認できる。

西村勘之助
原資料・書誌を見る ↗
資料の該当箇所を詳しく見る
資料利用上の注意

OCR本文で確認。原画像一字単位照合は未完了のため、厳密な翻刻としては扱わない。

歴史2018年11月
北村孝一 編『ことわざを知る辞典』

『ことわざを知る辞典』では、江戸中期の「猫に小判を見せたよう」のような直喩形から、後に簡潔な『猫に小判』という定型へ定着した経緯が解説される。

北村孝一 編
原資料・書誌を見る ↗
古い用例年代不詳
コトバンク『猫に小判』

資料上の表記:猫に小判を見せたやう

精選版日本国語大辞典系の項目では、1687年の評判記『野良立役舞台大鏡』に「猫に小判を見せたやう」の用例が示される。これは現時点で辞書本文から確認できる古い用例として扱い、厳密な初出年・成立年とは断定しない。

原資料・書誌を見る ↗

歴史の中で意味・使われ方はどう変わった?

相手にとって価値を理解できない物や知識を与えても意味がない場面で使います。

記事データ編集確認済み
専門レビュー専門レビュー待ち

確認状況を明示し、未確認事項を確定情報のように扱わない方針です。

研究上の扱い

「最古」と断定せず、現時点で確認できる古い資料・用例として積み上げています。資料間で作者や由来の伝承が異なる場合は、複数説を保持して比較します。

「猫に小判」の用例を、国立国会図書館の資料から探す

見出し語や異形をそのまま検索語にして、OCR全文資料の用例候補と年代別の出現傾向を調べられます。

OCR全文検索の結果は用例候補です。引用・年代・初出の判断では、資料画像と書誌をあわせて確認してください。Ngramのグラフは出版年代ごとの出現傾向を見るためのもので、成立年代そのものを示すものではありません。

「猫に小判」に関する研究・資料

このことわざを直接扱う研究

研究資料Gapur, Taulia & Pujiono (2019) “Neko ‘Cat’ in Japanese Idioms”

Abdul Gapur / Taulia / Mhd. Pujiono / International Journal of Culture and Art Studies / 2019

Gapur, Taulia & Pujiono (2019) は『猫に小判』を猫を含む日本語慣用句のメタファー例として分析している。字義的な「猫に価値ある小判を与える」場面から、「価値を理解できない相手に貴重な物を与えても意味がない」へ意味が写る表現として扱う。

International Journal of Culture and Art Studies 3(1), pp.30–39
研究資料同志社女子大学 吉海直人「『猫』の慣用句」

吉海直人 / 同志社女子大学 / 2018

同志社女子大学の吉海直人による解説では、『猫に小判』の類似表現として『猫に石仏』『猫に経』『犬に論語』『馬の耳に念仏』『牛に麝香』『豚に真珠』などが挙げられる。価値・教えを理解しない相手に与えても効き目がないという意味領域を共有する。

同志社女子大学 吉海直人「『猫』の慣用句」本文

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