我が意を得たり
読み方:わがいをえたり
「我が意を得たり」の意味
自分の考えにぴったり合うこと、または物事が自分の思っていたとおりになることを意味する慣用句です。
相手の発言や文章などに触れて、「まさに自分もそう思っていた」と感じたときにも使われます。
「我が意を得たり」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「我が意を得たりと思う」
自分と同じ考えや、自分が望んでいた内容に出会ったときに使います。「記事を読んで我が意を得たりと思う」「その発言に我が意を得たりと思った」などの形です。 - 「我が意を得たりとうなずく・笑う」
発言や出来事への反応を動作とともに表します。「我が意を得たりとうなずく」「我が意を得たりと笑う」などと使います。 - 「我が意を得たりという顔・表情」
他人の様子を描写するときに使えます。「我が意を得たりという顔をする」「我が意を得たりという表情を浮かべる」などの形です。 - 「我が意を得たりとばかりに〜」
自分の考えどおりだと感じて、勢いよく行動する様子を表します。「我が意を得たりとばかりに話し始める」「我が意を得たりとばかりに身を乗り出す」などと続けます。
「我が意を得たり」の例文
- 自分と同じ問題を指摘する専門家の記事を読み、我が意を得たりと思った。
- 監督が以前から主張していた戦術を選手が提案すると、監督は我が意を得たりとうなずいた。
- 旅行先を北海道にしようという話が出ると、彼は我が意を得たりとばかりにおすすめの場所を次々と挙げ始めた。
「我が意を得たり」の類似表現
意気投合(いきとうごう)
互いの気持ちや考えがぴったり合うことをいいます。
「意気投合した二人」のように、双方が気持ちを通わせている場合に使うことが多いです。
「我が意を得たり」は、相手も同じように感じている必要はなく、相手の発言などを聞いた側が「自分の考えと合っている」と、一方的に感じただけでも使えます。
思う壺(おもうつぼ)
物事が予想したとおり、たくらんだとおりになることを表します。
「相手の思う壺にはまる」のように使われ、策略や駆け引きを伴う場面にもよく用いられます。
「我が意を得たり」は、物事が思いどおりになる場合だけでなく、他人の意見や考えが自分と一致したときにも使えます。
「我が意を得たり」に含まれる言葉の意味
「我が意」の「意」は、心に思っていること、考え、意見などを意味します。
「我が意」で「自分の考え」「自分の思い」という意味になります。
「得たり」は、文語の動詞「得(う)」の連用形「え」に、完了の助動詞「たり」が付いた形です。
「得たり」だけでも、物事がうまく運んだときに「しめた」「うまくいった」という気持ちを表す言い方として使われてきました。
「我が意を得たり」の古い用例
渋沢栄一が1914年に『竜門雑誌』第308号へ発表した「青年の箴」には、「孔子が始めて我意を得たりとして」とあります。
ここでは「我が意」ではなく「我意」と書かれています。
孔子が、自分の考えにかなう返答を得たという仮定の話の中で使われており、現在の「我が意を得たり」に近い意味です。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「我が意を得たり」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年。
- 公益財団法人渋沢栄一記念財団『渋沢栄一伝記資料』第42巻、p.440-444、「青年の箴」。
