抜き足差し足
読み方:ぬきあしさしあし
「抜き足差し足」の意味
足音を立てないように、そっと静かに歩くこと、また、その歩き方をいいます。
「抜き足差し足」の使い方
「抜き足差し足で」の形で、「歩く」「近づく」「部屋を出る」「忍び寄る」などの動作につなげて使います。
人目を避ける場面だけでなく、眠っている人を起こしたくないときや、動物を驚かせたくないときにも使えます。必ずしも、悪いことをするためにそっと歩く場面だけで使う表現ではありません。
「抜き足差し足」の例文
- 夜更けに帰宅した兄は、家族を起こさないように抜き足差し足で階段を上りました。
- 野鳥を驚かせまいと、調査員たちは抜き足差し足で巣へ近づいていきました。
- 物音に気づいた警備員が振り向くと、男が抜き足差し足で倉庫を出ようとしていました。
「抜き足差し足」の類似表現
忍び足(しのびあし)
意味はほぼ同じです。「忍び足で近づく」と「抜き足差し足で近づく」は、多くの場面で言い換えられます。
「抜き足差し足忍び足」のように、二つの表現を続ける言い方もあります。
「抜き足」「差し足」とはどのような歩き方?
「抜き足」は、足をそっと抜き上げるようにして歩くことです。「差し足」は、つま先の方から足を静かに地面へ下ろしていく歩き方を指します。
足を静かに上げる動作と下ろす動作を並べたのが「抜き足差し足」です。
「抜き足差し足」の古い用例
『精選版 日本国語大辞典』は、近松半二・近松加作による浄瑠璃『伊賀越道中双六』六段目(1783年)の「夫の為と抜足さし足探りより」を初出例に挙げています。
ここでは「抜足さし足」と書かれており、現在の「抜き足差し足」に当たる語形が江戸時代に使われていたことが分かります。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「抜き足差し足」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「抜足差足」「抜足」「差足」「忍足」各項。
