不意を突く
読み方:ふいをつく
「不意を突く」の意味
相手が予想していない時や、警戒していないところをねらって何かを仕掛けることです。
攻撃だけでなく、質問や発言、行動などで相手を驚かせる場合にも使います。
「不意を突く」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜の不意を突く」
「〜」には、予想外のことを仕掛けられる人や集団が入ります。「相手の不意を突く」「守備側の不意を突く」などの形です。 - 「〜の不意を突いて〜」
相手が備えていないところへ何かを仕掛け、その後に行った動作を続ける形です。「敵の不意を突いて攻める」「相手の不意を突いて質問する」などと使います。 - 「不意を突かれる」
仕掛けられた側を主語にする受け身の形です。「突然の質問に不意を突かれる」「思わぬ反撃に不意を突かれた」などと使います。 - 「不意を突く〜」
後ろの名詞を修飾する形です。「不意を突く一撃」「不意を突く質問」などの組み合わせがあります。
「不意を突く」の例文
- 警戒が薄くなった終了間際、選手は相手の不意を突いて一気にゴール前へ走り込みました。
- 会議では予想もしなかった数字について尋ねられ、部長は一瞬不意を突かれました。
- 彼女の不意を突く質問に、いつも冷静な講師も答えを考えてしばらく黙り込みました。
「不意を突く」の類似表現
意表を突く(いひょうをつく)
予想していなかった発想や行動によって相手を驚かせる場合によく使います。
「意表を突く企画」「意表を突く展開」のように、必ずしも相手の警戒が緩んだ時をねらうとは限りません。
不意を討つ(ふいをうつ)
「不意を突く」と用法がよく重なり、相手の油断を見ていきなり何かをする意味で使われます。
「不意を討たれる」のような受け身の形もあります。
「不意を突く」の間違いやすい使い方・表記
「不意を衝く」という表記もありますが、「衝く」には鋭く攻める意味があり、「不意を突く」と同じ読み・意味で用いられます。
「衝く」が誤った表記というわけではありません。
「不意を突く」の古い用例
中島敦の小説『李陵』には、「胡虜の不意を突いて」という表現があります。
作品は中島の没後、1943年7月の『文学界』に発表されました。
敵が備えていない機会をねらって軍を動かす場面に使われており、この時期には現在と同じ「〜の不意を突いて」という言い回しが見られます。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「不意を突く」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「不意」項、「不意を討つ」項。
- 中島敦『李陵』、1943年。
