場数を踏む
読み方:ばかずをふむ
「場数を踏む」の意味
実際の経験を何度も重ねて、その物事に慣れることです。
知識として学ぶだけでなく、実地で経験することを重ねる意味を含みます。
「場数を踏む」の語源・由来
「場数」は、ある物事を経験する回数や、多くの経験を意味する言葉です。
「踏む」には、足で踏むという意味のほか、物事を実際に行い経験する意味があります。
「場数」は「場数を踏む」という慣用句が使われる以前から、経験の度数を表す言葉として用いられていました。
そこに実地で経験する意味の「踏む」が結びついた表現です。
「場数を踏む」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「〜で場数を踏む」
「〜」には、仕事や試合など、実際に経験を重ねる場が入ります。「営業の現場で場数を踏む」「大会で場数を踏む」などの形です。 - 「場数を踏んで〜」
経験を重ねたうえで身についたことや、その後の変化を続けます。「場数を踏んで対応力を身につける」「場数を踏んで慣れる」などと使います。 - 「場数を踏んだ〜」
多くの実地経験を持つ人などを修飾する形です。「場数を踏んだ選手」「場数を踏んだ交渉担当者」などと使います。 - 「場数を踏めば〜」
経験を重ねることを条件として、その後の変化や結果を続けます。「場数を踏めば落ち着いて話せる」「場数を踏めば判断が速くなる」などの形です。
「場数を踏む」の例文
- 新人のころは接客のたびに緊張していたが、何度も現場で場数を踏むうちに、落ち着いて対応できるようになった。
- 大舞台でも動じない彼は、若いころから数多くの公式戦で場数を踏んできた。
- 人前で話すのが苦手でも、小さな発表から場数を踏めば、少しずつ緊張を抑えやすくなる。
「場数を踏む」の類似表現
場慣れする(ばなれする)
「場慣れする」は、経験を重ねた結果、その場所や物事に慣れている状態をいうときに向いています。
「場慣れしている」のように、その人の現在の様子を表すこともできます。
経験を積む(けいけんをつむ)
「経験を積む」は幅広い事柄に使えます。
「場数を踏む」は、仕事の現場や試合、本番などで実際の経験を何度も重ねるというニュアンスがより強い表現です。
「場数を踏む」の古い用例
宝暦4年(1754)刊の石嶋政植『魂胆惣勘定』下に、「などやかに遊びなれ、場数をふめば、自然と事になれ」とあります。
「場数をふめば」という言い回しで、経験を重ねることで物事に慣れるという、現在に近い意味で使われています。
1754年に出版されたという事実は、その本に記録されている公式なデータともぴったり合っています。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「場数を踏む」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「場数」「場数を踏む」項。
- 集英社辞典編集部編『ルーツでなるほど慣用句辞典』集英社、1991年、「場数を踏む」項。
