読み方:のどからてがでる

「喉から手が出る」の意味

欲しくてたまらず、どうしても手に入れたいと思うことです。

品物だけでなく、人材、情報、時間などへの強い欲求にも使えます。

「喉から手が出る」の語源・由来

喉から手が出て欲しいものをつかもうとするほど、どうしても欲しい気持ちを、実際には起こり得ない姿にたとえた誇張表現です。

「喉から手が出る」の使い方

「喉から手が出る」は、後ろに「ほど」を伴う形がよく使われます。

  • 「〜が喉から手が出るほど欲しい」
    欲しいものを助詞「が」で示す基本的な形です。「限定品が喉から手が出るほど欲しい」などと使います。
  • 「〜を喉から手が出るほど求める」
    人材や情報、資金などを求める強さを、「喉から手が出るほど」で修飾します。対象には助詞「を」を付けます。
  • 「喉から手が出るほどの〜」
    「ほどの」の後ろに、欲しい品物や必要な人物を置く連体修飾の形です。「喉から手が出るほどの人材」「喉から手が出るほどの情報」などと使います。誰にとって必要なのかを示すときは、「企業にとって」のような語を添えます。

「喉から手が出る」の例文

  • 限定版の図鑑が喉から手が出るほど欲しかったが、子どもの小遣いでは買えなかった。
  • 新事業を始めた会社は、海外法務に詳しい人材を喉から手が出るほど求めている
  • 彼は長打力と守備力を兼ね備えた、どの球団にとっても喉から手が出るほどの強打者だ。

「喉から手が出る」の類似表現

垂涎の的(すいぜんのまと)

多くの人が欲しがったり、うらやましがったりする対象を指していう言葉です。

「喉から手が出る」は欲しがる側の気持ちの強さを述べますが、「垂涎の的」は欲しがられている側の人物や物に重点を置く表現です。

切望する(せつぼうする)

物の入手に限らず、再会、成功、事態の改善などを強く望む場合にも使えます。

改まった文章になじみやすく、「喉から手が出る」のように誇張したり、くだけた響きはありません。

「喉から手が出る」の古い用例

石川啄木が1908年5月に書いた『病院の窓』には、「渠はまたもや喉から手が出る程喫みたくなつて」とあります。

無性にタバコが吸いたくなった場面で、「喉から手が出るほど」の後ろに強い欲求を現す言葉を繋げています。

「喫む」は、ここでは「のむ」と読み、タバコを吸うことです。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「喉から手が出る」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』、小学館、2005~2006年、「喉から手が出る」項。
  • 石川啄木「病院の窓」『石川啄木全集 第三巻 小説』筑摩書房、1978年(1908年5月執筆)。
ABOUT ME
北澤篤史
ことわざ学会理事。ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語・漢字熟語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。