空中分解
読み方:くうちゅうぶんかい
「空中分解」の意味
飛行中の航空機などが空中でばらばらに壊れること、また、組織や計画などが途中で分裂・崩壊し、続けられなくなることです。
「空中分解」の語源・由来
「空中分解」は、もともと飛行中の航空機が機体を保てず、空中でばらばらになる現象を表す語です。
そこから、まとまっていた組織がばらばらになったり、進行中の計画が途中で崩れたりする様子にも使われるようになりました。
「空中分解」の使い方
次のような形で使われます。
- 「〜が空中分解する」
前には「組織」「チーム」「計画」「機体」などを置きます。「交渉チームが空中分解する」「機体が空中分解する」などの形です。 - 「空中分解の危機」
組織などが分裂しそうな状況について使います。「連合組織が空中分解の危機に陥る」などと続けます。 - 「空中分解を遂げる」
すでに崩壊に至ったことを述べる、やや文章語的な形です。「計画が空中分解を遂げる」などと使います。
「空中分解」の例文
- 方針をめぐる対立が深まり、発足したばかりのチームは半年もたたずに空中分解した。
- 資金を提供する企業が相次いで撤退すれば、この大規模な開発計画は空中分解しかねない。
- 事故調査では、飛行中に機体が空中分解した原因を詳しく調べている。
「空中分解」の類似表現
土崩瓦解(どほうがかい)
物事が根底から崩れ、手のつけようがなくなる場合に使います。
「空中分解」が組織や計画の途中での分裂・崩壊に使いやすいのに対し、「土崩瓦解」は全体が徹底して崩れることを強く表す、文章語的な表現です。
頓挫(とんざ)
計画や事業などが途中で進められなくなった場合に使います。
「頓挫」は行き詰まって中断することを広く表し、組織そのものがばらばらになることまでは含みません。
「空中分解」の古い用例
1934(昭和9)年の『新語新知識』には、
「空中分解をすれば大抵操縦性を失って墜落します」
という用例が記録されています。
当時は航空機について使われており、昭和初期には「空中分解」が航空に関する語として定着していたことが分かります。
『新語新知識』は大日本雄弁会講談社から1934年に刊行された『キング』第10巻第1号の付録です。
星新一の『人民は弱し官吏は強し』(1967年)には、
「無限の夢を含んだ低温工業会社は、むなしく空中分解をとげた」
とあります。
ここでは航空機ではなく会社について用いられており、1960年代には比喩的な使い方が文献上に現れています。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 飯間浩明編『小学館 四字熟語を知る辞典』小学館、2018年、「空中分解」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「空中分解」項。
- 国立国会図書館『新語新知識 : 附・常識辞典』書誌情報。
