読み方:てがあく

「手が空く」の意味

仕事や用事が一段落して、時間に余裕ができることです。

単に予定がないというより、それまで取り組んでいた仕事などからいったん離れ、ほかのことができる状態になったときに使います。

「手が空く」の使い方

次のような型がよく使われます。

  • 「手が空いたら〜」
    今している仕事や用事が終わったあとに何かをする、またはしてほしいと伝える形です。「手が空いたら連絡する」「手が空いたら手伝ってください」などと使います。
  • 「手が空いている」
    その時点で取りかかっている仕事がなく、ほかのことができる状態を表す形です。「今は手が空いている」「手が空いている人に頼む」などと使います。
  • 「手が空くまで〜」
    仕事などが一段落する時点を区切りとして示します。「手が空くまで待つ」「手が空くまで別の作業をする」などの形です。

「手が空く」の例文

  • 午前中の作業が予定より早く終わって手が空いたので、倉庫の整理を手伝うことにした。
  • 先生は「手が空いたら、この資料を職員室まで運んでください」と生徒に頼んだ。
  • 受付が混雑しているため、手が空いているスタッフが案内に回っている。

「手が空く」の類似表現

手がすく(てがすく)

「手がすく」も、当面の仕事がなくなって暇ができることをいい、「手が空く」とほぼ同じ意味で使われます。

「手がすいたら手伝う」のような形にできます。

手を空ける(てをあける)

「手が空く」は仕事が一段落して余裕ができる状態をいうのに対し、「手を空ける」は、ほかのことができるように今の仕事を終えるなどして、自分の手を使える状態にする形です。

「午後は手を空けておく」のように、意志を伴う場面でも使えます。

「手が空く」の古い用例

1899年の永井荷風『三重襷』の中に、「妾が幾可か手が明くんだから」という表現が伝えられています。

当時は「空く」ではなく「明く」と表記されていますが、仕事から離れて時間に余裕ができるという、現在とほぼ同じ使われ方です。

参考文献・出典

  • 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
  • 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「手が空く」項。
  • 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「手が空く」項。
ABOUT ME
北澤篤史
ことわざ学会理事。ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語・漢字熟語を対象に、語源・由来、古い用例、文献上の変遷を研究している。2025年度ことわざ研究奨励賞受賞。著書に『〈試験に出る〉マンガでわかる すごいことわざ図鑑』『〈試験に出る〉マンガでわかる おもしろい四字熟語図鑑』『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(いずれも講談社)がある。