どういう風の吹き回しか
読み方:どういうかぜのふきまわしか
「どういう風の吹き回しか」の意味
普段はあまり見られないことが思いがけなく起こった様子を表す言葉です。
「どうしたはずみか」という意味で、いつもとは違う行動や出来事に驚いたり、その理由をいぶかしく思ったりするときに使います。
相手の珍しい行動について言う場合には、軽いからかいや冗談めいた響きを伴うこともあります。
「どういう風の吹き回しか」の語源・由来
「吹き回し」は、もともと風の吹きぐあいや風向きの変化を表す言葉です。
「その時の調子・気分」という意味でも用いられ、「風の吹き回し」は、その時々の加減や具合を指す表現として使われています。
「どういう風の吹き回しか」は、この「風の吹き回し」に「どういう」と疑問を表す「か」が付いた形です。
いつもと違うことが起こった際に、「いったいどのような加減によるものなのか」と問う表現になっています。
「どういう風の吹き回しか」の使い方
次のような型がよく使われます。
- 「どういう風の吹き回しか、〜」
文の前に置き、後ろに普段とは違う行動や思いがけない出来事を続けます。「どういう風の吹き回しか、兄が料理を始めた」「どういう風の吹き回しか、彼が早く来た」などの形です。 - 「〜とは、どういう風の吹き回しか」
意外な行動を先に挙げ、それに対する驚きや疑問を後ろで示します。「君が手伝うとは、どういう風の吹き回しか」「彼が謝るとは、どういう風の吹き回しか」などと使います。 - 「一体どういう風の吹き回しか」
「一体」を添えると、意外に感じている気持ちや理由を知りたい気持ちが強まります。「一体どういう風の吹き回しか、父が早起きした」などの形です。
「どういう風の吹き回しか」の例文
- どういう風の吹き回しか、いつも朝寝坊をしている弟が、今日は家族より先に起きて朝食を作っていた。
- 頑固に反対していた部長が自分から新しい案を認めるとは、どういう風の吹き回しかと皆が驚いた。
- 一体どういう風の吹き回しか、これまで練習嫌いだった選手が、誰よりも早くグラウンドへ来るようになった。
「どういう風の吹き回しか」の類似表現
どうした風の吹き回しか(どうしたかぜのふきまわしか)
「どういう風の吹き回しか」と意味や使われ方はほぼ同じです。
どちらも普段とは違う行動や出来事に対する驚きや疑問を表し、多くの場面で言い換えられます。
どうしたはずみか(どうしたはずみか)
何かが起こったきっかけや成り行きが分からないことを表し、「風の吹き回し」の比喩を含まない表現です。
人の珍しい態度について冗談めかして問いかける場合には、「どういう風の吹き回しか」のほうが使いやすいことがあります。
「どういう風の吹き回しか」の古い用例
樋口一葉の『別れ霜』には、「今日の御入来は如何(どう)いふ風の吹きまはしか」という形が使われています。
『別れ霜』は1892年(明治25年)に「改進新聞」に発表された作品です。
「どういふ」は現在の「どういう」、「吹きまはし」は「吹き回し」に当たる昔の文字の書き方です。
明治時代には、予想外の来訪について「どういう風の吹き回しか」と尋ねる、現在とほぼ同じ形と使われ方が見られます。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「どういう風の吹き回しか」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「風の吹回し」項。
- 松村明監修『大辞泉』第二版、小学館、2012年、「どういう風の吹き回しか」「吹き回し」項。
- 樋口一葉『別れ霜』、1892年(初出「改進新聞」)。
