精が出る
読み方:せいがでる
「精が出る」の意味
「精が出る」とは、元気よく物事に取り組み、よく働いたり活動したりすることです。
仕事や作業に熱心に取り組んでいる人を見て、その働きぶりを認めたり、感心したりするときにも使います。
「精が出る」の語源・由来
「精」には、心身を動かす力、元気、精力という意味があります。「精が出る」は、身に備わった力が働きぶりとなって現れることを表した言葉です。
「精が出る」という語形は、少なくとも江戸時代には使われていました。『精選版 日本国語大辞典』では、1713年の雑俳『削かけ』にある用例が初出例として挙げられています。
「精が出る」の使い方
仕事、勉強、家事、農作業、練習など、熱心に取り組んでいる活動を「に」で示し、「仕事に精が出る」「練習にも精が出る」のように使います。
取り組んでいる人に声をかける場合は、「朝早くから精が出ますね」「今日もご精が出ますね」などの形になります。
また、「成果が見えると勉強にも精が出る」のように、何かのきっかけによって、以前より活発に取り組めるようになったことも表せます。
「精が出る」の例文
- 新しい農具が届き、父は朝から畑仕事に精が出ている。
- 発表会の日が決まると、子どもたちは練習にもいっそう精が出た。
- 「毎日遅くまで研究とは、ずいぶん精が出ますね」
「精が出る」の類似表現
精を出す(せいをだす)
意味はほぼ同じで、多くの場面で言い換えられます。
「精を出す」は、「彼は畑仕事に精を出している」のように、熱心に取り組む人を主語にして述べます。
「精が出る」は、「畑仕事に精が出る」「ずいぶん精が出ますね」のように、活動が盛んになっていることや、目の前で働いている人の様子を述べる形で使われます。
「精が出る」の古い用例
『精選版 日本国語大辞典』は、1713年の雑俳『削かけ』にある「せいが出る・あさっぱらには所化はっち」を初出例として挙げています。現在と同じ「精が出る」という形が、江戸時代初期には使われていたことが分かります。
島崎藤村の小説『家』上巻では、鍬を持って畑を耕す三吉に、通りかかった人物が「どうも、好く御精が出ます」と声をかけています。1910~1911年に発表された作品で、現在の「ご精が出ますね」に近い、働いている人への声かけとして使われています。
参考文献・出典
- 新村出編『広辞苑』第七版、岩波書店、2018年。
- 米川明彦・大谷伊都子編『日本語慣用句辞典』東京堂出版、2005年、「精が出る」項。
- 小学館国語辞典編集部編『精選版 日本国語大辞典』小学館、2005~2006年、「精が出る」「精」項。
- 島崎藤村『家(上)』新潮文庫、新潮社、1955年。
